(3)子供の大学進学ですっからかんに。

専業主婦・二児の母Cさん(49歳・女性)

子ども1人あたりの教育費はなかなか減らない一方で、世帯収入はそう簡単には上がりません。都内のマンションに住む4人家族のCさんは「学資保険を掛けていましたが、下の子の高校進学もあり、早々に資金が尽きてしまいました」とのこと。

子ども一人に教育費1,000万円という話はよく耳にすると思いますが、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」によると、高校卒業から大学卒業まで、つまり大学の時期に必要となる教育費用は驚くほど高額です。(※高校の費用は、国公立・私立を合わせた全体の平均です)

  • 国公立…783万2000円
  • 私立文系…949万7000円
  • 私立理系…1109万2000円

準備していた資金だけでは足りず、Cさん家族はその後、大学と高校の学費を月々の生活費から支出していて家計は火の車だといいます。

「もしもの時のお金がないのは危険だと分かっていますので、今後の学費を教育ローンで借りた方がよいのか悩んでいるところです。ゼロ生活を維持するか、借金を作るか、悩んでいます。『二人分の教育費はこのくらい』と準備はしていたのですが…」と教育費の厳しさを語ってくれました。

(4)リタイヤ後の資金計画に危機感…

夫が退職目前のDさん夫婦(58歳&妻52歳)

子どもの教育費の捻出に追われていると忘れがちなのが、親本人の老後資金のことでしょう。人生100年時代とも言われる現代では、これまで以上に老後の蓄えが重要になってきます。老後には公的年金以外に貯蓄が2000万円必要だという金融庁のレポートも2019年に話題となりました。

定年退職を意識するようになった50代のDさん夫婦は、「教育費の支払いに追われていて老後資金どころではなかった」と言います。「年金だけでは足りないだろうなとは思っていたけれど。2000万円というニュースに驚いた」と、危機感を持っています。

金融庁レポートによると、高齢夫婦二人世帯の毎月の赤字額は約5万4000円、と試算されています。もし、夫65歳、妻60歳の無職の夫婦が老後20年、30年暮らした場合、家計の不足額は

  • 20年間:5万5000円×12カ月×20年=1320万円
  • 30年間:5万5000円×12カ月×30年=1980万円

このように、かなりの金額が不足することになります。

しかもこの試算額には、老人ホームなどへの入所費用は含まれていません。病気や介護などの負担を考えると、必要な資金はもっと膨らむ可能性があります。

「公的年金の支給額は減るかもしれないし、定年退職までの間に収入が増える見込みもない。退職金も、出るのかどうか。不安しかありません」と語っていました。

さいごに

「貯蓄ゼロ」寸前状態になる経緯は人それぞれです。でも、それぞれの悩みを解決するためには、まずは家計の見直しが第一歩だといえるでしょう。今回ご紹介した4人の体験談なども参考にしていただき、ご自身の身に起こりうる状況も想定つつ、しっかりと家計改善に取り組んでいかれることをおススメします。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
家計調査(令和元年度)」総務省統計局
教育費負担の実態調査結果」日本政策金融公庫(2020年10月30日)
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 金融庁

LIMO編集部