アラフィフといえば、子どもの大学進学の費用や住宅ローンの返済などに追われ、お金がかかる世代。30代の頃よりも収入額は増えてきてはいるものの、出ていくお金が多く、なかなか貯金ができずに焦っている方も多いのではないでしょうか。

総務省が2020年5月に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(2人以上の世帯)」では40代、50代それぞれの貯蓄額が発表されています。今回は、これらのデータからアラフィフと呼ばれる世代の貯蓄額、さらには気になる老後の年金受給額について、老後資金が現状で足りるのかどうかについて検証していきたいと思います。

アラフィフ世代の貯金額はどのくらいか?

同調査によると、世帯主が40~49歳の勤労世帯の貯蓄額は「1,057万円」、一方で世帯主が50~59歳の勤労世帯の貯蓄額は「1,728万円」であることが分かっています。お金がかかる世代といっても、皆さんしっかり貯金されているようですが、果たして本当にそうなのでしょうか。貯蓄額を見るうえで忘れてはいけないのは「負債額」です。各世代、どのくらいの負債額があるのでしょうか。

まず、40~49歳の負債額は「1,120万円」、一方50~59歳の負債額は「661万円」です。貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額をみてみると、40代では「-63万円」、50代では「1,067万円」となり、40代では驚きのマイナス額となってしまっています。しかし、50代では一気にプラス1,000万越に到達しており、教育費や住宅ローンなどでの負債がまだまだ残る40代に対し、住宅ローンの目処がついたり子どもが自立したりする50代に入ると、貯蓄をしやすくなってくるのだということが分かります。

アラフィフといっても、貯蓄可能になるタイミングは一律ではありません。子どもの自立のタイミング、住宅ローンの早期返済のタイミングなど、大きなお金がかからなくなったときにしっかりと貯蓄を始めることが大切だということですね。