今年の春先、証券会社の口座開設件数が急激に増えた時期がありました。コロナ禍での株価急落をチャンスと捉えた個人投資家が多かったのでしょう。しかし、あのような相場に乗ってうまく儲けるのはそれほど簡単ではありません。そこで、コロナ禍での投資がうまくいった人、逆に失敗した人に話を聞いてみました。

1回のチャンスに賭け過ぎた結果…

「1回のチャンスに賭け過ぎたことが原因」と話すのは、ある小売チェーンで働く30代の男性Aさんです。Aさんはコロナ相場に入った2月末にネット証券に口座を開設し、株式投資を始めたのだそう。

「1回大きな下げが来たときに『コレはチャンスだ!』と思って、友達の言うままにテレワーク関連の株を買った。あまり知らない企業だったけれど、自分でよく考えずに買ってしまったのが失敗だった」とのこと。

「今考えれば分散投資というのが全くわかっていなかった。1つの企業に百万単位でつぎ込んでしまったが、投資金額が大きくなるとちょっと下がっただけでも数十万の評価損が出る。評価損が出るとなかなか売る気になれなかったけれど、早めに売っておけばよかった。結局は50万円近くの損を出して株式投資はやめてしまった」と話します。