さいごに
今回ご紹介したデータからは、60歳以上のシルバー世代が、「誰に対して」「どの程度」お金の援助をしているのかは読み取ることはできません。とはいえ、老若男女問わず、「誰かに頼られる」ことは、人生に張り合いがでるものです。「人生100年時代」を迎え、還暦を過ぎても、仕事やボランティア、そして「孫育て」に忙しいシルバー世代が増えていますよね。
「日本のシニア世代は、結構お金持ちらしい」という声もちらほら聞こえます。今回の調査結果をみても、75歳を過ぎても、何らかのかたちで「お金の援助をする側」にいる人がいることが分かりました。しかし、その一方で、厚生労働省の資料によると、生活保護を受ける方が65歳以上に多いというのも、現実です。
コロナ禍で漠然とした不安を抱えながらの生活が続く今。「頼られるシニア」が、今後どのように増えていくかも気になるところですね。
【ご参考】
「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」平成 30 年度 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)は、全国の 60 歳以上(平成 30 年 1 月1日現在)の男女(施設入所者は除く)合わせて3000人を対象に、調査員による面接聴取法によって実施されたものです。
調査期間は2018年11月18日~12月9日、調査事項は(ア) 基本的な生活の状況に関する事項、(イ) 住宅の状況に関する事項、(ウ) 生活環境に関する事項、となっています。
※本格的な高齢期を迎える前からの年代による意識の違い等についても把握するため、60 歳以上の男女を調査対象としています。
「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版) 第1章 調査の目的及び方法等」内閣府
【参考】
「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)」内閣府
池上 翠