ちなみにセリアは、100均業界ではもっとも早く2004年にPOSレジを導入し、商品の発注支援システムの開発にも積極投資を行ってきた、データ活用が得意な企業です。

では次に、そんなセリアの事業内容を確認していきましょう。

直営店メインでスクラップ&ビルドも機動的に

セリアの収益の約98%は、100均ショップ「セリア」の売上によるものです。9月末時点の総店舗数は1734で、そのほとんどが直営店。北海道から沖縄まで全国に展開しており、関東甲信越が約530店、東海北陸が約370店、次いで関西が約270店と、東日本の比重が高くなっています。

近年の業績はどうでしょうか。最近3年目の推移を追って確認してみましょう。

売上高は、2018年3月期から2020年3月期まで1591億円⇒1705億円⇒1815億円と、年に100億円を超えるペースで伸び続けています。営業利益は165億円⇒168億円⇒176億円、当期純利益も113億円⇒115億円⇒121億円と順調です。

売上高の上昇は新規出店の拡大によるもので、不採算店の退店を一方で進めながらも、店舗数は1506⇒1592⇒1679と増加しています。複数の出店契約が見込める商業施設デベロッパー等との関係を強化する戦略がうまくいっているようです。

利益面でも増益が続いていますが、人件費や賃借料の増加が売上高の伸び以上に大きく、売上高営業利益率は10.4%⇒9.8%⇒9.7%とわずかながら減少しています。