「100均」と言えば、まず思い浮かぶのはピンクの看板とびっしり並んだ商品が印象的な業界トップの「ダイソー」でしょう。対して業界2位の「Seria(以下、セリア)」は、白とグリーンを基調としたシンプルな店舗デザインが特徴で、女性客を引きつけるオシャレ感のある独自の商品や店づくりで存在感を示しています。

そのセリア、今年度の第2四半期(9月末)には売上高・営業利益・純利益とも過去最高を記録し、通期予想も上方修正しました。成長の背景にあるのは何なのか、それは今後も成長要因となり得るのか、気になる点を探っていきましょう。

セリアは「100円均一」であり続ける!

「100均」業界はいま、曲がり角に来ています。国内3493の店舗網を誇るダイソーは、コスト高を背景に100円以上の商品の品揃えを拡大する方針を示し、運営会社の大創産業も「300円ショップ」の出店に積極的です。他のチェーンにも価格帯アップの動きが広がる中、100均であり続ける方針を高く掲げているのがセリア(2782)です。

セリアには、100円とは思えない“高見え”商品や、インテリアのコーディネイトに役立つおしゃれな雑貨など、付加価値の高い100円商品で女性の固定客をつかんできた商品開発力があります。さらに、高い「売上高営業利益率(売上高に対する営業利益の割合)」を生み出す店舗運営のノウハウを持っています。

経済産業省が2018年度に行った「企業活動基本調査確報」によれば、小売業全体の売上高営業利益率は2.8%。対するセリアは9.8%と、格段の差があります。ダイソー(大創産業)は非上場なので確認できませんが、近年、利益率が上昇傾向にある製造業でも4.8%なので、セリアの商品管理や店舗運営はかなり効率化が進んでいると考えてよいでしょう。