厚生労働省が公表している『人口動態調査』によると、2019年に離婚をした夫婦は、20万8496組。今、この瞬間にも『離婚』の2文字が頭をよぎっている人もいるでしょう。

実際に離婚をした場合、『シングルマザー』、もしく『おひとり様』としての将来を見据えた生活設計が必要となります。夫に不満を持っている女性の中には、「お金さえあれば離婚するんだけど…」という本音を心の中に隠しつつ、とりあえず夫婦としての体面を保っているという人も。

今回は、そんな女性たちの中でも、『離婚』ではなく、『家庭内別居』を選んだ女性3人にお話を聞くことができました。

「平日の夜と土日はパートに」夫との生活時間帯をずらした結果。

~Aさんのケース~

Aさん夫婦が家庭内別居となったきっかけは、ひとり息子の大学進学でした。

「息子が県外の大学に進学したと同時に、夫婦2人の生活になりました。もともと私のワンオペ育児状態で、夫婦の会話といえば、子どもの成績や進路に関して決まったことを報告するくらい…。だから、息子が家にいなくなった途端に、共通の話題が完全になくなりました。

沈黙に耐えられず、二人でいるときはTVをつけるんですが、見たい番組も全然違う。まれに見たいものが一致しても、笑うポイントもずれている…。だんだん、一緒にいるのが嫌になり、なるべく顔を合わせなくて済むように、夫が家にいる土日と平日の夜間を中心に、パートに出ることにしたんです」と語るAさん。

同僚たちの多くは小中学生のママさん。土日・平日に出勤可能で、シフトに融通を利かせやすいAさんは重宝され、思いのほか忙しい生活に変わったそう。お互いの仕事に支障が出ないようにとAさんが提案し、部屋を分けて生活しているうちに、いわゆる『家庭内別居』の状態に…。

「夫と一緒に家にいると、たとえ別々の部屋にいたとしても、どうしようもなく息苦しくなります。空気が重いとでもいうのでしょうか。挨拶と連絡事項の会話はありますが、本当にそれだけ。この先何年も、この重苦しい雰囲気の中でずっと生活していくのかと思うと、気が滅入ります。生活の心配さえなければ、迷わず離婚するのですけどね…」