ゆとりある老後のために
退職金や老後にもらえる年金に関してこれまでみてきましたが、それらはあくまでも現在の平均値やモデルケースであり、今後どのように変動するかは未知数です。特に年金は、これから少子高齢化が進んでいくと、受給額が減ってしまうというおそれも大いにあるでしょう。
どうなるのかわからない将来に備えて、早めから老後貯蓄を行っていくことはもちろんのこと、今は「自分で年金を作る」という国の制度も整っています。例えばiDeCoは、節税をしながら将来の年金を自分で作ることができる画期的な仕組みをとり、2020年9月現在では約170万人が加入している大きな制度となっています。iDeCoでは掛金が全額所得控除対象となるので、特に仕事をしており所得税や住民税を支払っている人にとってはそれだけでもやるメリットが大きいといえる制度です。
そのような自身にメリットのある制度にも目を向けながら、ゆとりある老後のために早い段階からしっかりと準備をしていくことが重要なのではないでしょうか。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯 金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)へ の預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに 株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点 の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社 内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参照】
金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」各種分類別データ・4金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」
厚生労働省「令和2年度の年金額改定について」
iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」
多田 秋