ベンチャー系のソフトウェア会社で働くFさんは、「うちの会社はちょうど自分たちの一つ上の代から新卒採用をするようになった。今、管理職や役員になっているのは社歴が長い人や中途社員の人ばかりなので、自分たちのような立ち位置で偉くなっている人を見たことがない。自分たちがこの先どうなっていくのか、この会社で働き続けて給料が上がったり昇格したりするのかなとか悩んでしまう」とのこと。

ハラスメントを許容する風潮がある

セクハラやパワハラ、マタハラなどのハラスメントを野放しにするような会社は誰にとっても働きづらい環境でしょうが、中堅社員ももちろん例外ではありません。

食品会社で働くGさんは「先輩のパワハラがすごくて、病んでやめる後輩が続出。そんな人でも昇格していく。『アレ? パワハラしてもお咎めなし?』と思ってしまうし、そんな人が管理職になったらオレはその下で働けるのかなと思う」とぼやきます。

「うちの会社はハラスメントがすごい。罵声が飛ぶのは日常茶飯事。残業の強要も多いし、飲み会で飲ませまくるアルハラやセクハラもひどい。こんな会社でやっていけるのは、体力があって、年齢にしては給料が比較的高いと感じられる今だけ」と言うのは広告代理店で働くHさん。

「今は大学の友達に比べたら給料はもらっているほうだけど、そのうちみんな偉くなってオレと同じくらいの給料をもらうようになると思う。そうなったときに『みんなはいい環境で働けて同じくらいの給料をもらっているのに、オレはハラスメントだらけの会社で働いてこの給料か』と思う日が来ると思う」と話します。そうなると、転職を考えることになるかもしれませんね。

おわりに

今回は中堅社員に焦点を当てましたが、彼ら彼女らが働きづらいと感じていることは、ほかの社員にも共通することだと思います。人事の評価軸がブレていたり、ロールモデルがいなければ、若手社員も働きづらく感じることでしょう。こういう環境を変えていかないと、会社を引っ張っる立場の優秀な社員がどんどんやめる残念な会社になってしまうのではないでしょうか。

大塚 ちえ