先日の11月30日は何の日だったかご存知の方はいらっしゃるでしょうか。

厚生労働省によると、毎年11月30日を下記のように定義しています。

「厚生労働省では、“国民一人ひとり、「ねんきんネット」等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らす日”として、平成26年度から毎年11月30日(いいみらい)を「年金の日」としました。」

さて将来の年金がどのくらい受け取れるのかは誰でも気になるものです。

ただ今現役で働くみなさんは将来の年金について、老後は年金だけでは過ごせないかもしれないということは周知の事実になっているのではないでしょうか。

私はFP(ファイナンシャル・プラニング技能士)の資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、数々のマネーセミナーで登壇し、多くのお金の悩みを持つお客様と向き合ってきました。私自身、フリーランス経験が長く、自分が好きなことに専念するためには、お金の問題を理解し、解決していかなければならないことを十分理解しています。

今回は年金の日にちなみ、データを元に年金受給額を確認しながら、これから老後を迎えるわたしたちは老後資金がいくら必要になるのかをみていきましょう。

会社員の場合、厚生年金はいくらもらえるか

厚生労働省保健局の「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(1号)の平均年金月額は14万3761円となっています。

ただし会社員が加入する厚生年金は収入が多ければ多いほど、報酬比例部分の受給額は多くなります。

ここからは厚生年金保険(1号)の年金月額別の人数をみていきましょう。

  • ~1万円:126,018人
  • 1万円~2万円:22,068人
  • 2万円~3万円:83,649人
  • 3万円~4万円:137,175人
  • 4万円~5万円:146,019人
  • 5万円~6万円:194,142人
  • 6万円~7万円:399,646人
  • 7万円~8万円:699,048人
  • 8万円~9万円:968,143人
  • 9万円~10万円:1,144,077人
  • 10万円~11万円:1,117,766人
  • 11万円~12万円:1,007,420人
  • 12万円~13万円:915,331人
  • 13万円~14万円:876,492人
  • 14万円~15万円:877,130人
  • 15万円~16万円:899,459人
  • 16万円~17万円:947,091人
  • 17万円~18万円:980,948人
  • 18万円~19万円:960,838人
  • 19万円~20万円:898,434人
  • 20万円~21万円:778,946人
  • 21万円~22万円:615,693人
  • 22万円~23万円:441,310人
  • 23万円~24万円:307,042人
  • 24万円~25万円:209,348人
  • 25万円~26万円:135,597人
  • 26万円~27万円:86,215人
  • 27万円~28万円:52,238人
  • 28万円~29万円:27,141人
  • 29万円~30万円:13,107人
  • 30万円~:19,756人

年金月額が1万円前後から30万円以上とかなりの幅が出ており、厚生年金といえども格差が大きいようです。

ボリュームゾーンが9万円~12万円となると年金だけで生活出来るかどうかは、夫婦共働き以外は厳しいことが分かります。

フリーランスや自営業の場合、国民年金はいくらもらえるか

続いて国民年金を受給することになり自営業やフリーランスの場合はいくら年金がもらえるのかみていきましょう。

前項と同資料で確認すると平均年金月額は5万5708円となっています。厚生年金の受給額と比べると大きく減額しています。

では国民年金の年金月額別の人数も確認してみましょう。

  • ~1万円:83,022人
  • 1万円~2万円:314,832人
  • 2万円~3万円:991,875人
  • 3万円~4万円:3,083,098人
  • 4万円~5万円:4,704,912人
  • 5万円~6万円:7,494,438人
  • 6万円~7万円:14,204,935人
  • 7万円~:1,787,336人

厚生年金と違い、受給できる金額に上限がある国民年金は毎月の受給額の幅も広くはありません。

ただし国民年金でも受給額の差が出ており、国民年金だけではいずれにせよ生活するのは難しいことが分かります。

老後資金はいくら必要か

厚生年金と国民年金だけでの生活は多くの方が厳しい老後となることが分かりました。
では老後資金はいくらを目安にし、自助努力はいくら必要なのでしょうか。

生命保険文化センターの老後必要資金についての意識調査では、最低日常生活費が平均22万1000円、ゆとりある老後生活費の平均は36万1000円という結果が出ています。
老後が30年と仮定するといくらが必要になるのかそれぞれ計算してみましょう。

最低日常生活費の場合

  • 約22万円×12ヶ月×30年=7920万円

ゆとりある老後生活費の場合

  • 約36万円×12ヶ月×30年=1億2960万円

上記の金額を踏まえると老後30年間受け取る年金との差額を自助努力で備えておく必要がありますが世帯のケースによって大きく金額は変わってきます。

高齢者世帯の盲点

厚生労働省が令和2年7月に公表した「2019年国民生活基礎調査」によると、65歳以上の方がいる世帯のうち、高齢者世帯の世帯構造においては、単独世帯が49.5%、夫婦のみの世帯が46.6%となっており、核家族化が顕著になっていることが分かります。

この高齢者世帯は昭和61年には236万2000世帯だったものが、令和元年には1487万8000世帯にも増えています。

老後は病気やケガになるリスクが高くなりますが、万が一ケガや病気で介護が必要になったときに、夫婦での老老介護や自分ひとりであれば老人ホームに入居する可能性もあることから、介護費用を備えておくことはこれからの少子高齢化の時代には当たり前となるのではないでしょうか。

では最後に介護費用も確認しておきましょう。

介護の期間と費用とは

生命保険文化センターが行った「生命保険に関する全国実態調査/平成30年度」調査から介護期間や介護費用をみていくと下記のような結果となっています。

介護期間

  • 6ヶ月未満:6.4%
  • 6ヶ月~1年未満:7.4%
  • 1~2年未満:12.6%
  • 2~3年未満:14.5%
  • 3~4年未満:14.5%
  • 4~10年未満:28.3%
  • 10年以上:14.5%
  • 不明:1.7%
  • 平均:4年7ヶ月

介護費用

一時的な費用の合計(住宅改造や介護用ベッドの購入など)

  • 掛かった費用はない:15.8%
  • 15万円未満:19%
  • 15~25万円未満:8.6%
  • 25~50万円未満:6.8%
  • 50~100万円未満:9.1%
  • 100~150万円未満:6%
  • 150~200万円未満:1.9%
  • 200万円以上:6.1%
  • 不明:26.7%
  • 平均:69万円

月額

  • 支払った費用はない:3.6%
  • 1万円未満:5.2%
  • 1万~2万5000円未満:15.1%
  • 2万5000~5万円未満:11%
  • 5万~7万5000円未満:15.2%
  • 7万5000~10万円未満:4.8%
  • 10万~12万5000円未満:11.9%
  • 12万5000~15万円未満:3%
  • 15万円以上:15.8%
  • 不明:14.2%
  • 平均:7.8万円

いかがでしょうか。介護期間は平均でも5年弱となっており、入居一時金や月額費用は家計をかなり圧迫するような金額になっています。年金だけでまかなうことは難しいことが分かります。

まとめにかえて

老後を年金だけで過ごせるのは限られた方だけとなり、介護費用を考慮する自助努力でどれだけ老後資金を増やせるかは誰にとっても共通する課題となります。
退職金や貯金以外に、資産運用の必要性がより迫られることになりそうです。

参考資料