医療サービスが供給されすぎ
高齢者が医者に治療してもらうことで、レストランで1500円の食事をしたのと同じ満足が得られるとしましょう。
医療費が1万円で、後期高齢者は1割負担なので、自己負担は1000円だとします。その場合には、高齢者は外食より治療を選ぶでしょうから、財政負担が9000円生じます。
自己負担割合が2割になると、高齢者は「2000円出して治療を受けるより、1500円で外食しよう」と考えて外食を選ぶでしょうから、治療行為は行われず、財政負担はゼロになります。
高齢者の懐は500円だけ痛みますが、財政の負担は9000円減ります。それならば、9000円のうち3000円を使って高齢者に払う年金を増額しましょう。
そうすれば、財政負担が差し引き6000円減り、高齢者に冷たいという批判も受けず、むしろ高齢者に感謝されるでしょう。シルバー民主主義に即した政策と言えそうですね(笑)。
問題の本質は、1500円分しか喜ばない治療サービスが、1万円もするのに提供されている、ということなのですね。本来提供されるべきでない余剰な医療サービスが提供されている、というわけです。
それが提供されなくなるということが、日本経済にとって大きなメリットとなるわけですね。