母親にとって子どもは自分より大切な存在です。自分の命以上に大切な存在を、自分の時間の多くを使って育てている、精いっぱい努力している段階で他人から「かわいそう」と言われると、「あなたはダメだ」と非難されているようで自分を責めたり、「まだ足りない」「もっと頑張らなければ」と自分を追い込む人も少なくありません。
筆者もそのタイプで、特に1人目を育てていたときは「伸びた爪に気付けない自分はダメだ」と落ち込んだり、「爪を常に伸ばさないように気を付けなければ」と気を張っていたこともあります。
自分が逆の立場なら「かわいそう」と言う?
しかし、自分が逆の立場だったら?と考えると、他人に対して「かわいそう」という言葉は使いません。「かわいそう」という言葉はどこか上から目線ですし、確実に相手を傷付けます。まだ何もできない赤ちゃんにかわいそうということは、つまり「あなたは赤ちゃんに『かわいそう』なことをしている母親ですよ」と言うことになるからです。
育児を経験して思うのは、育児を担う母親が心身の余裕を持つことが一番大切ということ。そして多くの母親が、本気で自分の時間を削って育児をしています。相手の気持ちを思えば、そして母子のためにも、かわいそうという言葉は使わないでしょう。
それは大人相手だけではなく、自我の芽生えた子どもに対しても「かわいそう」という言葉は使いたくないと思います。子どもの頃「かわいそう」と言われた私は、正直、嫌な気持ちになりました。