呪いの言葉に縛られないで

「かわいそう」という言葉は、時に呪いの言葉のように付きまとう言葉です。「自分は子どもの衣服の調節もできないダメな母親なのか」と落ち込む人もいれば、必要以上に過敏になって気にする人も。仕事や就園、子どもと自分の人生に関わる内容なら、何年も悩み続ける女性もいます。

筆者の場合、2人目で「1人目のときも同じこと言われた。みんなが言われる『あるある』なのだ」と気付きました。そして「かわいそうと言う側の本音」に気付くことで、やっと流せるようになったのです。とはいえ、モヤモヤが残ることだって多々ありますし、仕事と育児の両立にはいつも悩みます。

結局、言う側は変わりません。大切なのは自分が「かわいそうという呪いの言葉に縛られない」こと。忙しければ爪が伸びてるのに気付かないし、わが家にはわが家の仕事や就園、きょうだい事情があるのです。他者の言葉に惑わされず、あまり軸をぶらさずに自分の半径1メートル以内の生活を大切にするしかありません。

そうして自分は「かわいそうとは言わないおばあちゃんになる」と心に決めています。

西谷 都