変化に寄り添う介護とは

身体的な変化に対して

介護の量が圧倒的に増え、2人介護や3人介護の必要性が生じます。本人の変化に並行したケアを行うことで、少しでも苦痛を和らげることが大切です(緩和ケア)。

食欲が低下し摂取量が減っているときは、本人の食べたいものや、嗜好に合う飲み物を優先し、食材や味付け、形態などを工夫します。

また、食べたいときに自由に食事ができるようにする柔軟さも必要です。

発熱時には、こまめなクーリングや体位の工夫、室温調整、冷たい飲み物などを早めに準備します。

会話が少なくなると唾液の分泌が減り、口腔の乾燥などのもとになるため、口腔ケアは食事に関係なくおこなわなくてはなりません。

心理的な変化に対して

その人と出会って、身近に暮らし互いが認め合い、受け入れ合って過ごした関係は、終末期にこそ強く活かされます。その人の性格や願い、思いを改めて再確認し、いままで分かち合えたことなどを今のケアに活かしていきましょう。

行動の変化に対して

その人が元気だった頃に習慣としていた髪型や服装、お気に入りだったこと、手元から離さず大事にしていた物、聴いていた音楽などを、生活のなかに再現し、五感を刺激します。

それまでの生活と切り離さない配慮が大切です。