定年後も働くと決めている方は取り入れたい「繰り下げ制度」
さて年金だけに頼って老後生活しようと考える方よりも、自助努力で少しでも老後資金を増やさないといけないと考える方が多いのではないでしょうか。
といっても、年金は終身(亡くなるまで)受け取れるわけですから貴重な老後資金のひとつでもあります。
みなさんは年金の受給額が増やせる制度があることをご存知でしょうか。
定年を迎えても働くと決めている方、健康に自信がある方は年金の受給年齢を繰り下げることで将来受け取れる年金を最大42%も増やすことができます。
現在厚生労働省の「第15回社会保障審議会年金部会資料」を参考にすると、現状年金の受給開始年齢は原則として、個人が60歳~70歳の間で事由に選ぶことが出来るようになっています。
65歳より早く受給を開始した場合は繰り上げとなり、年金の月額は減額され最大で30%減となります。
一方、65歳以降で受け取りを開始した場合は繰り下げとなり、年金の月額は増額され最大で42%の増額となります。
増額率は繰り下げ受給の場合、1月当たり0.7%増額となり、具体的には下記のようになっています。
請求時の年齢
- 66歳時・・・8.4%
- 67歳時・・・16.8%
- 68歳時・・・25.2%
- 69歳時・・・33.6%
- 70歳時・・・42%
このように受給開始年齢が上がるほど、受給額も増額されます。
さらに令和2年5月29日には、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立したことで、今後は75歳まで受給開始年齢が選べるようになります。(令和4年4月から適用)
もし75歳から年金を受給するように繰り下げをした場合、最大で84%の増額となりますので覚えておくと良いでしょう。
では本当に繰り下げ受給をする方がお得なのかと疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。現行の65歳から年金を受給した場合と70歳、75歳に繰り下げ受給した場合の年金総額で比べてみましょう。