たとえ「ヤバい隠しごと」ではなくとも、家族にだけは見られたくないものがある。

そんな「秘密」の一つや二つ、誰しもが持っているのではないでしょうか。

自分の死後、それらの「秘密」をどうしたいか。

ひと世代前は、「紙のアルバム」や「手紙」といったアナログな姿で残されることが多かった形見。スマートフォンやパソコンを所持している人が増えたこんにち、それらはスマートフォンやパソコンの中に、データとして保存されているケースが増えていることは確実でしょう。

元気なうちに自分の最期のことを考えてエンディングノートにまとめたり身のまわりのものを整理したりする終活が話題となっていますよね。その中には「デジタルデータ」をどうするか、という繊細な問題も含まれます。これは今を生きる私たちすべてが、日頃から意識しておくべき問題であることは確かです。

そんなわけで今回は、「デジタル終活」について考えていきたいと思います。

「自分亡き後、このデジタルデータはどうなるの?」

銀行通帳、クレジットカード明細、契約書…。かつては紙ベースで記録されていた文書などの電子化が進んでいます。ネット銀行や、月額サービスの情報などは、自分に万が一のことがあった場合、家族に知らせておく必要があるといえるでしょう。

その一方、家族にはナイショの趣味、恥ずかしい写真、パートナーを悲しませてしまうであろうメールのやり取り、などとなると話は別。「たとえ自分が死んだあとでも、絶対に見られたくはない」という人のほうが多いはずです。

デジタル終活をする意味

デジタル終活には、遺された家族の負担を減らすため、家族に悲しい思いをさせないため、などいくつかの目的があることは確かでしょう。

ただ、ここで強調したいのは、デジタル終活は「自分のプライバシーを守る最後のアクション」としての位置づけを持っているということ。

絶対に家族にだけは知られたくない創作物や写真、SNS上での人間関係などがある、という人は少なくないでしょう。それらの「秘密」を、自分亡き後、どう守っていくかを考えるのが「デジタル終活」の基本であるといえるかもしれませんね。