世の中にはお金をしっかり貯めている家庭があります。例えば貯蓄が1,000万円ある世帯と100万円の世帯では、収入や生活費など、どのように違うのでしょうか。収入が多いから貯まっているのでしょうか、それとも収入は普通で家計の方をきっちり引き締めているのか…。

2種類の世帯について、暮らし方を比較してみましょう。

「貯蓄1,000万円世帯」と「貯蓄100万円世帯」の生活費はどう違う?

総務省統計局の家計調査(※1)をもとに、貯蓄現在高が「100~200万円世帯」と「1,000~1,200万円世帯」の収入・支出のデータを比較してみましょう。暮らし方に大きな違いがあるのか、どのような点が貯蓄の違いを生んでいるのか、気になるところです。

(1)両世帯の基本データ

まずは「貯蓄100~200万円世帯」と「1,000~1,200万円世帯」の基本データを比較します。

(※世帯数は抽出率調整済実数、出典:総務省統計局の資料をもとに編集部作成)

貯蓄額の平均値については947万円の差があります。両世帯数はほぼ同じくらいであり、全体(総世帯数:621万7,000世帯〔抽出率調整済実数〕)に占める割合はそれぞれ約5.9%です。世帯人員についてもほぼ同数となっていますが、世帯主の年齢については7歳ほど差があるようです。

(2)年間収入と生活費

次に年間収入や消費支出(※2)について比較してみましょう。

(出典:総務省統計局の資料をもとに編集部作成)

貯蓄「100~200万円世帯」と「1,000~1,200万円世帯」で、年間収入には90万円ほどの差がありますが、「貯蓄1,000~1,200万円世帯」の年間収入は全体平均と同程度です。ことさら高収入というわけではないようです。

消費支出について、両世帯の差は約4万円で、1年間では約50万円の差となります。この項目についても、「1,000~1,200万円世帯」の消費支出は平均値と同程度です。しかし、持家率については差が大きく、「貯蓄1,000~1,200万円世帯」は持ち家率が9割近くになっています。