また、多くのママ友に共通していたのが「夫の飲食代が激減」でした。会社から飲み会を開かないよう指示されており、「最後の飲み会は2020年の1月の新年会だった」と口にするママがほとんど。休日の昼間に家族で外食することは少しずつ増えてきても、ママ友や勤務先の同僚と食事をしたり飲みに行く機会はほぼ消滅しています。

マスク着用で化粧品代も激減

花粉症の時期や冬場は元々マスク着用する人が多かった日本。新型コロナウイルス感染防止のため、今までは大半の人が着けていなかった夏場でもマスクが必需品となりました。この影響が大きかったのは化粧品代です。

外出中ずっとマスク姿であれば、ばっちりメイクをする必要もありません。気をつけるといえば眉毛やアイシャドウそしてまつ毛くらい。つまり、目の周りをメイクすればそれで済んでしまうようになったのです。

春や秋は口紅の新作CMを大々的に流す季節ですが、今年は全くと言っていいほど目にしませんでした。家計調査でもその影響が大きいのは明らかです。口紅の落ち込みは3月では前年同月比で22.2%減少、4月は41.1%減と急落。9月の調査結果では前年同月比より56.6%とさらに減少率を大きくしています。

周囲の話を聞いても、今年の冬以降1本も購入していない人が圧倒的多数でした。その理由は「マスクに口紅が付くからムリ」「外すシーンがあるのを考慮して色味のあるリップクリームをつけている」など。口紅離れが進んでいることを実感しました。

不透明な消費動向

年が変われば消費行動が元に戻る雰囲気には程遠く、新型コロナの影響の大きさをひしひしと感じる年の瀬を迎えることになりそうです。2019年までの「普通の世界」とは一変した消費行動が今後どのように変化していくのか、企業も消費者も先行き不安に身構えてしまうのではないでしょうか。

【参考資料】
新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など 令和2年11月6日」(総務省統計局)
新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など 令和2年6月5日」(総務省統計局)

中山 まち子