今年も気がつけば残り1カ月ほど。年始の頃に想像していた2020年とは大きくかけ離れた事態が次々と起き、色々な意味で忘れられない年となった人がほとんどではないでしょうか。
春先にはマスクや消毒関係品、トイレットペーパーが在庫切れになり、緊急事態宣言下ではホットケーキミックスやパスタが店頭から消えたという報道が続き、不安心理から買い溜めに走る消費者も現れました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で激変した消費行動。具体的にどんな品目で大きな増減があったのか、総務省の家計調査報告を見てみましょう。
外出自粛の影響が顕著
総務省統計局が毎月行っている家計調査(二人以上の世帯)によると、11月6日に公表された9月の消費支出は1世帯当たり269,863円。これは前年同月比で実質10.2%の減少です。また、9月分の月例結果とともに新型コロナの影響が顕著な品目が示されています。
その中で食料品を見ると、2020年9月に前年同月を大きく上回ったものとして挙げられているのは巣ごもり消費の代表格である品々でした。まず、対前年同月比で20.5%も増えたパスタを筆頭に、即席麺の16.9%増、冷凍調理食品の16.3%増が続きます。
また、家飲みで人気を集めたチューハイやカクテルは20.2%増と、9月に入っても未だに多くの人が外出を控えている様子がうかがえます。保健医療項目の保健用消耗品(マスクやガーゼを含む)も、前年同月比42.3%増と高水準を保っています。