今後はコロナ収束後の戦略が成長のカギ
ZOZOにとって消費者のデジタルシフトは好材料であり、今年度(2021年3月期)の通期業績予想は売上高1437億円(14.5%増)、営業利益395億円(41.6%増)、当期純利益276億円(46.8%増)とそれぞれ過去最高の数字が計上されています。
いまだコロナ収束の見通しが立っていないため、しばらくはEC利用者の増加による成長が続くと見られますが、好調を一過性のものにしないためにもリピーター育成の施策が求められます。
昨年末のPaypayモールへの出店や、今年8月に「ZOZOTOWN」に導入したPayPay決済も、PayPayの普及次第では良い結果をもたらすかもしれません。比較的面積の小さい物流拠点を閉鎖し、広い拠点の開設を進めていることから、今後も拡大路線が継続されていくことでしょう。
まとめ
前澤前社長の手腕によって目覚ましい成長を遂げたZOZOですが、PB事業の不調によって2019年3月期に減益を記録しました。しかしその後、事業を見直したことで2020年3月期に利益は回復し、2021年3月期はデジタル消費の拡大によって好成績となる見込みです。
今後も成長は続くと思われますが、リピーター獲得のための戦略でZOZOSUITのような失敗をすることのないよう注意が必要です。
【参考資料】
ZOZO コーポレートサイト
株式会社ZOZO 2021年3月期第2四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ZOZO 2021年3月期第2四半期 決算説明会資料
株式会社ZOZO 2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ZOZO 2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
「日経平均、ファミマを除外 ネクソンを補充」日本経済新聞(2020.10.22付)
山口 伸