大きな要因は、スマホで撮影することで採寸ができるボディスーツ「ZOZOSUIT」の無料配布や広告宣伝費、開発コスト、そして同時にデビューしたPB「ZOZO」にまつわる人件費などの増加です。売上高が前年比20.3%増なのに対して販管費が37.2%も伸びたため、利益を圧迫したようです。

続く2020年3月期はZOZOSUITの廃止やPB事業の見直しによって販管費を抑え、利益を改善しました。また、直近の2021年3月期第2四半期(4月〜9月累計)では、商品取扱高、売上高ともに前年同期比で16%増加。商品取扱高に対する販管費率も24.5%から23.4%に減少しており、営業利益は133億円から199億円に増加しています。

コロナによる業績悪化が叫ばれるアパレル業界ですが、外出自粛によって消費者の「デジタルシフト」が進み、ZOZOには追い風となっているようです。

株価へのコロナの影響は一時的

一方、ここ3年間の株価の動きを見てみると、2018年3月期末時点で2700円台だった株価は業績の好調によって伸び続け、同年7月時点でピークの4700円台を記録しました。しかし減益となった2019年3月期末時点では2000円台まで下落、1株当たりの配当額が29円から24円に減少したことも響いたようです。

2020年3月期末は新型コロナの影響で株式市場全体が停滞したことから1200円台まで下落しましたが、10月下旬には3000円台まで回復、直近は2400円台となっています。

ZOZOの過去10年の株価推移