米国大統領選挙の結果、民主党のバイデン氏が勝利した。バイデン氏が7400万票、トランプ大統領が7100万票を獲得するなど、稀に見る大接戦となった。トランプ大統領の得票数でも、12年前にオバマ元大統領が勝利した際の6900万票を上回っており、今回の選挙は米国の分断というものを改めて露呈する形となった。
では、バイデン政権になって各国との関係はどうなるのだろうか。
バイデン政権と欧州・ロシアの関係は?
まず、バイデン氏の勝利が決定すると、フランスやドイツ、英国など欧州各国はすぐに祝福する言葉を贈った。
トランプ政権下でフランスやドイツなど欧州と米国の亀裂は決定的なものとなり、欧米の分断が進んだ。特にパリ協定や国連人権理事会、イラン核合意など多国間合意からの米国の一方的な離脱は、欧州主要国からの不信感を買った。
バイデン氏はオバマアメリカへの回帰を目指しており、これによって欧米関係は劇的に改善することだろう。
一方、ロシアにはバイデン氏の当選への警戒心がある。トランプ政権はNATOを問題視してきたが、バイデンアメリカによって加盟国内での分裂がなくなり、プーチン政権は米国が再び欧州と結託して安全保障上の問題を引き起こしてくると考えているかも知れない。