一つ心配なのは、日経平均が高値を付ける一方で、円相場も高値圏となっていることです。6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=103円30~40銭で取引を終えました。輸出関連株には逆風となっています。

長期間の保ち合いを抜け、一段上のステージへ

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は25日線だけでなく75日線も割り込んだことから、やや懸念されました。

しかし、足元の押し安値である10月2日の安値(22,951円)付近で下げ止まると、そこから反発、その後は大きな陽線が続き、直近の戻り高値である10月9日の高値(23,725円)、さらには心理的節目となる24,000円も終値ベースで回復しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。6月の上旬以来、上値、下値ともにじりじりとは切り上がるものの、1,000円ほどのレンジでの保ち合い相場となっていました。何度も上値を抑えられる動きが続いていましたが、先週、ついにこの保ち合いを上抜けました。

注目すべきは、中期的なトレンドで見ても戻り高値となる1月17日の高値(24,115円)を終値ベースで超えたことです。まさに一段上のステージに上がったといっていいでしょう。

今週のポイントとしては、まずはこのステージを維持できるかどうかです。下値メドとしては、心理的節目となる24,000円、直近の戻り高値の10月9日の高値(23,725円)あたりになります。このあたりで下値をサポートされるようであれば、積極的に上昇の勢いに乗っていきたいところです。

逆に上値について、月足や年足などで長期的に見ると、バブル崩壊直後の1991年の27,300円付近まで、目立った節がありません。かなり視界が広がっています。チャートは、さらなる上昇に期待できる、いい形になっています。

下原 一晃