国民年金未納を続けたAさんの末路
ここでは、国民年金未納を続けたAさんのケースを紹介します。
会社を退職し夢だった自分のお店をオープンしたAさん。お店の開業準備で忙しく、厚生年金から国民年金へ切り替えするのをすっかり忘れていました。
しばらくすると催告状が届きましたが、延滞していた額を見ると開業したばかりのAさんには痛い出費です。「こんなに払ってもどうせ年金は将来受け取れない」と思ったAさんは、手続きをせずに放置をしていました。
やがてお店の経営は軌道に乗り、利益も安定して出るようになりましたが、それでも延滞した年金を支払おうとは思いませんでした。さらに何度か封筒が届いても無視し続けていると、「督促状」という封筒が届きます。しかし、Aさんは「今までも支払わなかったし大丈夫だろう」とそのまま放置をしてしまいました。
最終的には「差押予告通知」という書類が配達証明付きで届きましたが、Aさんはどう対処すれば良いかわからずにこれすらも無視をしてしまったのです。
ある日、Aさんが事業用の口座からお金を下ろそうとすると取引ができなくなっていました。口座凍結されてしまったのです。知り合いに頭を下げてお金を借りて未納分を支払うと口座凍結は解除できましたが、復旧までにしばらく時間がかかったためお店の営業にも影響が出てしまいました。
国民年金未納で財産差し押さえに
日本年金機構によると、2017年には国民年金保険料が未納付であり、控除後所得額300万円以上かつ未納月数13カ月以上の人(控除後所得350万円以上の場合、未納月数7カ月以上の人)に対して財産調査や差押えなどを実施しています。
財産差し押さえは、年金を支払わなかったとしてもすぐに行われるわけではありません。今回のAさんのケースのように催告状、最終催告状、督促状を無視し続けていると、最終的には口座預金や不動産などの財産が差し押さえられてしまうのです。