2020年度のネット売上高が+37%の大幅増収だったビックカメラ

一方、上場企業のビックカメラはこのほど、2020年8月期決算のネット売上高が前期比37%増の1,487億円になったと発表しました。コロナ禍による追い風により、想定を上回る成長に結び付いたとしています。そしてビックカメラでも、特需効果だけではなく、さまざまなサービス施策が増収につながったようです。

「ビックカメラ. com」では一部地域を除き無料だった配送料を今年10月から有料化したものの、税込2,000円以上の商品は無料にとどめました。家電製品であれば、ほぼ無料対象になるといえるでしょう。配送日時指定も無料で7つの時間帯から選べ、冷蔵庫とマッサージチェアは希望場所への無料設置が可能です。

配送は商品に記載された「在庫・納期」に準じますが、首都圏や大阪は「注文当日」や「翌日」中に届きます。持ち帰り可能な商品はネット注文後取り置きも可能で、在庫ありと表示された商品ならば最短30分後に完了メールが来て指定店舗で受け取れます。

今年6月から9月までは都内渋谷区において、ネット注文から最短45分で商品を届けるサービスの実証実験を行いました。ネット通販全般で配送時間の短縮化が進む中、少しでも早く入手したいというユーザーの期待を念頭に置いています。

また、女性ユーザーの開拓に向け楽天と提携して設けたサイト「楽天ビック」では、女性向けの取り組みを強化しました。たとえば住居内に作業員が入って商品設置する場合、女性スタッフが同行して立ち会うサービスなどを手がけています。

まとめ

家電のネット通販はもはや日常的となり、今後も一定規模の外出自粛やテレワークが続く中でさらに伸びていくことでしょう。ただ、安定成長のカギとなるのは、やはりユーザー視点に立った独自の施策やサービスだと思われます。

【参照資料】
通販・通教・EC 2019年度 売上高ランキング」(日本流通産業新聞)
【2020年版】EC売上ランキング」(インプレス)
ビックカメラ 2020年8月期決算説明会資料」(株式会社ビックカメラ)

通販研究所・渡辺 友絵