消費増税前の駆け込み需要やコロナ禍による巣ごもり消費が追い風となり、テレビや冷蔵庫、冷暖房器具といった家電のネット注文が伸びています。

大手家電量販店においてもその傾向は顕著ですが、好調の背景にはこういった特需だけでなく、ユーザー視点に立った施策や取り組みがあるようです。急成長しているヨドバシカメラとビックカメラのネット通販売上高や、独自サービスなどを紹介します。

家電量販店各社のネット通販売り上げは軒並み増収に

昨年10月に実施された消費税値上げ前には価格が高めな家電の駆け込み購入が目立ち、オリンピック開催を見越した映像機器の買い替え注文も増加しました。コロナが広がり始めた3月以降は外出を控える人が増えたこともあり、家電量販店のネット注文は引き続き伸びていったのです。

通販専門紙が今年8月にまとめた「通販・EC2019年度売上高ランキング」調査を見ると、2019~2020年における家電量販店のネット通販売上高は軒並み増収を果たしていることがわかります。

ヨドバシカメラ、ビックカメラ、上新電機、ヤマダ電機がランキング30位以内に名を連ねるなど好調で、特にヨドバシカメラは前年比14.3%増の1,385億円、ビックカメラは前年比25.0%増の1,081億円と大幅増収でした。

これら家電通販を手がける企業がそろって伸びた要因としては、送料無料や迅速配送、設置・取り付けサポートなどユーザー視点に立ったサービスが挙げられます。酷暑やステイホームの影響で早期の配送・設置を希望する人が多かったため、送料に優位性があるうえ、配送・サービス網が整った家電量販店の躍進につながりました。