60代、仕事や子育てがひと段落して、生活が大きく変わる人が増える時期です。さらにいうと、定年退職金でまとまった金額が手に入った、子どもの教育費がかからなくなった、といった理由で家計に余裕が出る世帯が多い時期でもあるでしょう。
定年延長、再就職、起業といったかたちで社会と接点を持ち続ける熟年世代も増えています。「人生100年時代、老後の生活は長い!」元気なうちはできるだけ長く働き、老後資金を確実に貯めていこうと考えている人も多いはず。
60代で定年を迎える人が多い、熟年世代の預貯金事情を、ちょっとのぞいてみましょう。
定年60代、預貯金「なし」の割合はどれくらい?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2019年)」によると、60代の調査世帯のうち、金融資産を保有している世帯は76.4%、 金融資産を保有していない世帯は23.6%となっています。
備えあれば患いなし。「まさか」の事態が起こった時、やはり貯蓄があるとないでは安心感が違います。貯蓄があるに越したことはありませんが、全体の25%弱の世帯に、預貯金がないことがわかります。