今後の展開〜ドラッグストアチェーンやEC事業者の台頭を警戒
自社工場で大容量のPB商品を生産して販売するという方法は一見従来型のスーパーにもできそうに見えます。しかし、特に都市部では店舗面積が限られている中で業務用商品を並べて商品数を増やすのは高コスト化につながる上、大容量商品を求めていない高齢者の足が遠のいてしまうというデメリットも考えられます。
そのため「業務スーパー」が今後も店舗数を伸ばし続ければ、既存スーパーによる影響を受けることなく業務用スーパーを求める消費者の間で高いシェアを占めることができるかもしれません。神戸物産としては長期計画で「業務スーパー」の店舗数1000店を目標としており、今後も安定した成長が期待できます。
一方で同社は、ドラッグストアチェーンやEC事業者の台頭を警戒しています。仮にウーバーイーツのようにアプリとギグワーカーの組み合わせで低価格を実現する事業者がスーパー業界に現れた場合、迅速に対応できなければシェアを奪われる恐れもあります。
まとめ
一般消費者の間で業務用スーパーの認知度が高まるとともに、自社PB商品の展開によって「業務スーパー」は成長してきました。これによって神戸物産の売上高は増加し続け、効率化によって利益面でも良い成績を残しています。
生活必需品を扱う業種であるためコロナの影響に関係なく今後も成長し続けると見込まれますが、急激な時代の流れに遅れないことが成長を確実にするポイントでしょう。
【参考資料】
株式会社神戸物産 2020年10月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社神戸物産 2019年10月期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社神戸物産 2018年10月期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社神戸物産 2020年10月期第3四半期決算説明資料
山口 伸