リタイアにはいくら必要なの?

将来は分からないため、正確な金額というものはわかりません。ただ、歴史は繰り返すと言われているので、過去を知ることで大まかな目安を知ることはできると思います。

仮に4%ルールが今後も成立したとすると、リタイアに必要な資金は年間の生活費の25倍となります。生活費が年間300万円の人であれば、7,500万円がリタイアの目安となります。

そして、65歳以降にリタイアすると考えた時は、(現状と同じと仮定するのであれば)年金と生活費の差額分だけを金融資産からの収入でカバーできればリタイアできます。年金と生活費の差額は月5万4,520円なので、リタイアできる金融資産の目安は1,635万円です。

リタイアに大切なことは「生活費を下げること」「運用すること」

自分の生活費がリタイアに大きな影響を及ぼすことをご理解いただけたと思います。生活費が月10万円下がれば、リタイアに必要な金融資産は3,000万円も減ります。筆者は早期リタイアを目指しており、不要な生活費をカットし続けています。

その結果、2人暮らしで、食費、日用品、光熱費、携帯代と固定インターネット代の合計で月6万円以内に収まっています。ちなみに我慢はまったくしておらず、生活の満足度も一切下がっていません。リタイアも遠い未来ではないと個人的には思っています。

また、生活費を下げることの他に、運用のスキルも必須です。運用せずにただ取り崩すと、資産は減っていく一方です。現在では「資産寿命」という言葉も生まれ、お金にすら寿命ができています。

自分の寿命の前に資産寿命が尽きると、その後の人生は辛いものになると思います。運用することで資産寿命を延命して、不安のない楽しい人生を送りたいですね。

参考

(※1)「データブック国際労働比較2019」JILPT
(※2)「60代の雇用・生活調査」JILPT
(※3)金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(別紙1)」
(※4)Philip L Cooley , Carl M Hubbard , Daniel Walz “Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable”

安田 優