なぜ定年を迎えてもリタイアできないの?

65歳以降の方がリタイアできていない理由としては、働かずにもらえるお金が年金だけであり、それが生活費を下回っているからだと考えられます。実際、2019年に話題になった「老後2,000万円問題」のレポートでは、夫婦2人の生活費が26万3,718円、年金を含めた収入が20万9,198円であり、毎月5万4,520円赤字になると記載されています(※3)

昔であれば、年金の受給額が生活費を上回っていたので、安心してリタイアすることができました。しかし、現在では年金だけでは赤字になり、現役期に貯めたお金が減り続ける一方なので、不安が払拭されず仕事を辞めにくいのだと思われます。

リタイアに必須の「4%ルール」とは?

「4%ルール」とは、米トリニティ大学が1926〜1995年に渡って、退職者の保有する金融資産の推移を調査したデータから生まれました(※4)。研究が明らかにした内容は、保有資産を運用しながら取り崩した時、毎年何パーセントまで取り崩しても元本は減らないのかというものでした。

同研究によると、保有資産を株と債券の50%ずつに分配して運用した時、毎年4%ずつ切り崩したとしても、30年後も資産が減っていない確率が95%でした。

つまり、仮に2,000万円の資産を保有していたとして、それを株と債券に1,000万円ずつ投資した時、毎年80万円(2,000万円の4%)を切り崩したとしても、30年後に95%の確率で元本の2,000万円以上を保有しているということです。