子どもの教育への関心の高さを表す数字ですが、早期教育を受けさせたい場合は早い段階から教育費を考慮した人生設計を考える必要があります。人生100年と言われるように、日本の平均寿命は世界的にもトップクラス。子どもへの投資も確かに大切ですが、それと同時に自分たちの老後資金も見据えたマネープランを立てなければなりません。
まずは、幼稚園から大学まで私立学校のケース、国公立のケースなど複数の進学パターンと学費がどの程度かかるのかを把握しておきましょう。そうすれば、やみくもに習い事に手を出すと家計に響くということが認識できるようになります。
会社勤めでも、定年まで安泰という時代は過ぎ去りました。「これから収入が増えるはず」と甘く見積もらず、条件を厳しくしても実現できそうな進学コースをあらかじめ決めておくことが望ましいでしょう。子どもを思う心から教育費を惜しみたくないのはやまやまですが、老後破産を避けつつ現実的な教育費の投資をしていきたいものですね。
親の愛情と堅実さが大切
経済格差と子どもの学力差の関係は無視できないものですが、教育費だけかけても親が子どもに無関心ではあまり効果は期待できません。親子関係が安定しているからこそ、子どもは勉強や習い事に打ち込むことができるのです。
子どもの未来を明るいものにしたいと願うのであれば、お金で全てが解決すると勘違いせず、子どもと一緒に過ごしながら、適性や興味関心を見極めて習い事を探してみることが肝要です。そして、大学卒業までにかかる教育費を考えて堅実なライフプランを作っていきましょう。
【参考資料】
「子どもの教育資金に関する調査2020」(ソニー生命保険株式会社)
「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」(日本財団)
中山 まち子