日韓関係の冷え込みとコロナ禍、ダブル打撃のハナツアージャパンに回復はあるか?

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そして2019年度には当期純利益が赤字に転じました。これは日本政府による韓国への輸出管理強化を発端に、2019年7月から韓国国内で日本製品不買運動が起きたことが大きく影響しています。

さらに2020年度はコロナ禍で甚大な影響が出ています。旅行事業では東京本社以外の大阪・北海道事業所が閉鎖に追い込まれ、バス事業はほぼ休止しています。日韓関係悪化により業績が悪化しているところにコロナが追い打ちをかけた形です。

政府方針がカギだが先行き不透明

ハナツアーJは業績と共に財務状態も悪化。自己資本比率は2017年度末の53.4%以降、28.6%、23.8%と減少を続けています。営業所の縮小、バス事業の縮小によるリストラによって財務健全化を図っていますが、現状を乗り越えられなければ債務超過となってしまうでしょう。

しかし現状では日韓両国における入国制限のため、訪日旅行が再開するめどはたっていません。決算報告では「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況」が存在すると報告しており、今後の状況によっては倒産する可能性も否定できません。

業績の回復はコロナの収束やワクチン・治療薬の開発、日韓両政府の入国制限緩和にかかっています。外的要因であるため自社の努力ではどうにもならず、できるだけ規模を縮小して好転を待つしかないのが現状です。同社では観光旅行再開に向けて新サービスの開発を進めながら、状況の変化を待つとしています。

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執筆者

化学メーカー勤務の研究開発職。総合化学専攻 修士。平日は研究に没頭し、休日は資格を活かした副業と株式投資を行う。「くらしとお金の経済メディア LIMO」「株の窓口」に寄稿。ファイナンシャルプランナー2級、簿記2級。株式投資歴6年、趣味は街歩きと読書。