株式市場の振り返り-ジャクソンホール会議を控える中で売りが優勢となり続落

2016年8月26日(金)の東京株式市場は続落となりました。日経平均株価は前日比▲1.2%の下落、TOPIXも▲1.3%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲1.7%下落する続落となりました。

日経平均株価は、前日比▲70円安で寄り付いた直後に▲65円安となりますが、その後は下げ幅を広げ、後場開始直後には一時▲235円安となる場面がありました。中盤にはやや盛り返しましたが、引けに掛けて売りに押された結果、大引けは▲195円安の16,360円で終わっています。

東証1部で上昇したのは350銘柄、値下がり1,519銘柄、変わらず104銘柄でした。東証1部の出来高は15億4,608万株、売買代金は2兆391億円(概算)となっています。薄商いでしたが、前日よりは増加しました。

セクター動向と主要銘柄の動き-上昇は僅かに2業種、輸送用機器が大きく売られる

東証1部では33業種中31業種が下落し、上昇したのは鉄鋼と化学の2業種のみでした。総じて売られた中、下落率の大きい業種には、金融関連、輸出関連、内需関連が並んでいます。特に、輸送用機器の不振が目立っており、週明けから円高に振れることを先読みした動きと推察されます。

個別銘柄では、テルモ(4543)が一時▲5%超安となる急落となり、塩野義(4507)も大幅下落となりました。また、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、デンソー(6902)などの自動車関連銘柄も軒並み安となり、ファナック(6954)、村田製作所(6981)、任天堂(7974)も値を下げて終わっています。一方、花王(4452)が上昇し、信越化学工業(4063)も堅調でした。また、主力株が下落する中で、日本電産(6594)が値を上げていたのが目立ちました。

本日(8月29日)の注目点-円高が一層加速する可能性は低くなり、日本株へは追い風

ジャクソンホール会議が終わりました。注目されていたイエレン議長の講演では、「米雇用が改善し、追加利上げの条件は整ってきた」という旨の明言があり、年内利上げの可能性が一気に高まりました。これを受けて、週末の為替相場では円安が進み、一時は102円/ドルを目前にする水準まで下落しています。ただ、NY株式市場は小幅安で終わっています。

週明けの29日(月)から、日本株式相場も動き出しそうです。結局、ジャクソンホール会議でビッグ・サプライズはなかったものの、FRB議長の“ポロリ発言”により、一層の円高が進行する可能性は極めて低くなったと言えます。これは、基本的には、日本株にポジティブに効くでしょう。先ずは、出遅れ感の強い外需関連銘柄に注目することを勧めます。先週末は一部の市場関係者が円高加速を主張していたため、安くなった輸出関連銘柄は意外に多くありそうです。

青山 諭志