身体的特徴によって「損だ」と思い悩むことへの疑問

最近では、胸の大きな女性の悩みを解決してくれる動きも活発化しています。

胸を小さく見せるブラや胸の大きな女性の体型を考えて作られた洋服ブランドなどが登場しており、商品も多様化。数年前と比べて、洋服やブラ選びの選択肢もグっと広がりました。筆者のように胸が大きいことで悩む女性が増えていることや、その悩みを共有しやすくなっている現状があるのでしょう。

一方で、「胸を小さく見せたい」という気持ちの根本にあるものも考えなくてはいけないと感じてしまいます。それは、自分のありのままの体を自分自身が肯定できないような状況だからです。

胸の大小に限らず、顔の造形や身長など、身体的特徴でその人自身を規定するような偏見や、うがった目が向けられることは男女ともに少なくありません。身体的な悩みを衣服の購入などで解決する方法が広がることと並行して、そうした他者への視線そのものをなくしていく必要があるはず。

きれいごとかもしれませんが、どのような身体的特徴を持っている人でも「損だ」とか「不利だ」と感じないことが、理想的な社会だなとつくづく感じてしまいます。

【参考資料】「トリンプ下着白書 vol.19」(トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社)

富士 みやこ