すると猛烈な勢いでHさんはこう言いました。

「食べている、ではありません! 無理矢理『食べさせられている』です!

なるほど、Hさんの中では「給食」は、子供に苦痛を与える制度であり、それを無理矢理強いている現状に納得がいかない。なぜ、学校側が有無を言わさず強制している「給食」に対して料金を支払い、その制度に屈しなければならないのか?──そんな思いがあるのでしょう。

ではHさんが考える「解決策」とは…?

「生徒に給食を強制するなら無償にすること。それが叶わないのなら、給食は『選択制』にするべきだと思います」

まとめ

Hさんの意見には結局納得できない筆者。給食という制度に反対するのであれば、しかるべきところに訴える、運動をするべきではないでしょうか。それを「自分は認めていないから従わない」というのは、あまりにも短絡的、幼児的なような気がします。

6年間、子供の給食費を支払わなかったことに、ある種の誇らしささえ匂わせながら話すHさん。もし、Hさんの子供が給食をよろこんで食べていたとしても…「強制だから」のひとことで済ませるのでしょうか?

【参考】
平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について(文部科学省)

大中 千景