子供の間でSNSトラブルがあることも事実ですが、一方で友達とのつながりを非常に大切にしていることがうかがえます。顔を合わせて話すのと異なり、SNSでは文字と絵文字だけなので、読む側にうまく伝わらないこともあります。これは大人同士でも起こりうることですが、子供世代はその部分をうまく解決しながら利用しているようです。
また、中高生というのは、親子の距離感が難しくなる時期です。にもかかわらず、子供の方は、スマホを介して「家族とコミュニケーションが取れている」と感じてくれているようです。しかも、勉強にもうまく活用できている点は、スマホ世代ならではと言えるかもしれません。
オンラインゲームの課金トラブルにも要注意
最近よく話題になるオンラインゲームですが、親も真っ青になるトラブルの事例が消費者庁の「インターネットをめぐるトラブル」にあるので、1つだけ紹介します。
「テレビで無料とCMをしているゲームサイトに、無料ならと思い、娘のために自分のスマホで登録をしました。娘は本当のお金が必要だと思わず、アイテムを多数購入して遊びました。後日カード会社から約10万円もの請求書が届きました。」
筆者もこの春、子供たちの休校が決まった頃にゲームの無料アプリを自分のスマホにダウンロードしました。息子の説明によると、ゲームで遊んでいる途中で何度もアイテム購入、すなわち課金を勧められるようです。
「アイテム購入の際には、親に聞くようにする」「承認と購入のリクエストを利用する」など、あらかじめ親子間でルールを決めておくと、安心かもしれません。
おわりに
子供のスマホ利用を過度に心配してしまうのは、親自身がスマホやインターネットに詳しくないことも一因かもしれません。しかし、気軽に行っているインスタグラムやブログなどへの画像アップ、サイトへの書き込みなどが違法行為に当たる場合もあります。
この点については、親もきちんと知識を得た上で子供にしっかり教えておかなければならないでしょう。また、親子間にある「個人情報やSNSに対する意識のギャップ」を埋めるために、折に触れて話し合ってみてはいかがでしょうか。
【参考資料】
「令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(速報)」(内閣府、令和2年3月)
「中高生のスマホ利用傾向調査レポート 2020年2月版」(一般社団法人 日本スマートフォンセキュリティ協会)
「オンラインゲームトラブル」(消費者庁)
中野 令子