国が「貯蓄から資産形成へ」というスローガンを掲げていますが、確かに筆者の周りでも新たに投資を始めた人が少しずつ増えてきている印象です。
しかし、意気揚々と投資を始めたけれども、なかなかお金が増えないどころか、むしろ損してしまったという声も数多く聞きます。
そして「やはり投資は簡単にいかないから、もっとちゃんとお金の勉強をしなきゃ」といってファイナンシャルプランナーなどの勉強を始める人もいますが、じつは、損した理由はお金の知識不足だけではありません。
どういうことかというと、人は時として合理的な行動を取れないことが明らかにされており、その不合理な行動が損失を招いているということです。
この記事では、人間の行動が不合理であることを証明したプロスペクト理論を踏まえて、投資で損しないための対策を解説していきます。
人は合理的な判断ができないことが証明された
筆者はこれまでの投資人生の中で「なぜあの時あのような行動をしてしまったのだろう…」「こうした方が良かったのに」といった後悔を何度もしてきました。読者の方でも同じような経験をしたことがある人はいるのではないでしょうか。
実はこのような後悔をすることは仕方がないことでもあります。それは、プロスペクト理論(※1)によって、人間は時として合理的な行動をできないことが証明されたからです。
(※1 プロスペクト理論: 1979年にダニエル・カーネマン氏によって提唱された行動経済学の理論。同理論によりダニエル・カーネマン氏は2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。)