給料について話をするときは、「手取り〇円」というように、よく“手取り”という言葉を使いますよね。手取りとは、会社の求人情報等に記載されている給与額(額面給与)からいろいろなお金が引かれた後に、実際に従業員が受け取ることのできる金額なのですが、「手取りは額面給与の8割程度」なんて言われることもあります。

そこで本記事では、わかっているようで意外に知らない、毎月の額面給与から引かれているお金について、やさしく解説していこうと思います。

額面給与から引かれるお金①:社会保険料

まずは、社会保険料です。額面給与から引かれる社会保険料には、主に以下の4種類があります。

(1)健康保険料

健康保険は、会社員やその扶養家族が加入する公的医療保険です。健康保険に加入していることで、病気やケガなどで医療機関を受診したときに医療費の自己負担分が軽減され、病気やケガにより休業したときには傷病手当金、出産の際には出産育児一時金など、給付金を受け取ることも可能です。

健康保険には、組合健康保険・協会けんぽ・各種共済組合などがあり、保険料率は運営団体や都道府県によっても異なってきます。

たとえば、主に中小企業の会社員が加入している協会けんぽの場合では、令和2年度の平均保険料率は10.0%です。この健康保険料を会社と従業員が折半するので、毎月の給与から引かれる金額は、自分の標準報酬月額の5%程度ということになります。