長期政権が続いた唯一の例外、首相就任時は全員が61~63歳
一方、日本国憲法の施行後、長期政権直後の政権も長期政権になった事例が1回だけあります。
岸信介(1957年2月25日~1960年7月19日、1,241日、歴代9位)
→池田勇人(1960年7月19日~1964年11月9日、1,575日、歴代7位)
→佐藤栄作(1964年11月9日~1972年7月7日、2,798日、歴代2位)
今となってはちょっと想像しにくいですが、約15年間で総理大臣が3人だけだった時代があったのです。ちなみに、直近15年間(2005年~2020年)では、新しく総理になった菅義偉氏を含めて8人です(安倍氏を2度数えた延べ人数)。
ただ、この3人の長期政権が続いた時、首相就任時の年齢が岸信介氏:61歳、池田勇人氏:61歳、佐藤栄作氏:63歳であり、政治家としては脂が乗った時期でした。決して年齢だけで判断するつもりはありませんが、菅氏があと3カ月で72歳になることを勘案すれば、激務が続く総理大臣の職を長期間続けるのは容易ではないと見るのが普通でしょう。
重要な政治日程目白押しの中、菅政権は過去のケースを打破できるか
こうして過去のケースを踏襲するならば、思いのほか短命で終わる可能性が高い菅政権ですが、約50年ぶりにこのパターンを打破することができるでしょうか。この先の政治日程に目を向けると、少なくとも1年内には衆議院の解散総選挙があり、また、1年後(来年9月頃)には再び自民党の総裁選挙が実施されます。
こうした政治日程が押し迫る中、喫緊の課題でもある新型コロナウイルスへの対応策を含め、今後出てくるであろう新たな政策に、まずは期待したいところです。
【参考資料】「歴代内閣」(首相官邸)
葛西 裕一