新型コロナのワクチン接種無料化、公費で負担するメリットは何?

新型コロナワクチンの無料化には大きなメリットがあるので、ぜひ無料化すべきだ、と筆者(塚崎公義)は考えています。

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政府は新型コロナワクチンの無料化を検討しているようです。副作用が少ないワクチンの開発が前提ではありますが、ぜひ採用してほしいと思います。無料化しないと「接種すべき人が接種しない」ケースが多発すると懸念されるからです。

ワクチンを打たないと周囲に迷惑

ワクチンを打たないと、自分が罹患して苦しむのみならず、周囲にも感染を広げてしまうリスクがあります。それを防ぐためには、皆がワクチンを接種することが望ましいわけです。数値例で考えてみましょう。

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新型コロナに罹患すると、自分が被る被害(働けない収入減少、痛み等々)が20万円分、他人に感染させて社会にかける迷惑が30万円分、合計50万円分の被害が発生するとします。そして、ワクチンを接種すると罹患する確率が2%から1%に低下するとします。

罹患しやすい生活をしている人や罹患すると重症化しやすいい人と、そうでない人がいるでしょうが、とりあえずここでは全員均一だということにしましょう。

本人の被害の期待値は2千円しか減りません(20万円の1%)から、ワクチンが3千円であればワクチンを接種する人はいないでしょう。投与すれば社会的な被害の期待値が5千円減るのに、もったいないことです。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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