これは、実に難しい問題かもしれません。医療関係者を優先するべき、という点には異論は少ないでしょうが、それ以外にも論点は多数あります。

高齢者を優先すべきだと考える人は多いかも知れませんが、もしかすると家の中でじっとしている高齢者よりも罹患しても気づかず活発に動き回るであろう若者に優先的に接種した方が効率的なのかもしれません。

金持ち優遇との批判は出るでしょうが、入手したワクチンの5%だけは入札にして、金持ちに高い金額を払ってもらい、それで皆の分のワクチンの費用の一部を賄う、という選択肢はあり得るかもしれません。

経済学の観点からは、日本経済に大きな貢献をしている人を優先すべきだ、という考え方も出てくるかもしれませんが、それはさすがに政治的に通らないでしょうね。

柔軟な発想で、「夜の街」で働く人々に優先的に接種しよう、ということも理屈の上ではあり得ますが、これも常識的ではないといって却下されるのでしょうね。

まあ、そのあたりのことは政治家に考えてもらうこととして、本稿では深入りしないことにしましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。

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塚崎 公義