平気でウソをつく

続いては電子部品メーカーで働く20代のBさんです。Bさんは、かつて同じ課に配属された後輩に足を引っ張られている感じがしたのだそう。

「後輩は、どんなに仕事を教えても『教えてもらっていないのでわかりません』と言う。最初はそれが悲しくて、毎日後輩に何を教えたか日報を書いて、後輩にも『これは理解できた』『これは自信がない』という感じでチェックさせていた。なかなか仕事が覚えられないと本人も焦るだろうと、先輩たちに話を聞いて色々な教え方を試してみた」と言うBさん。

「でも、『理解できた』と言っていたことまでできなくて、『どうして?』と尋ねても知らんぷり。でも、あるときウソをついていることが発覚した」とBさん。今まで普通にできていた業務でその後輩がミスをしたとき、上司に事情聴取されているのが聞こえてきたのだと言います。

「後輩も慣れてきていた業務なので、自分がダブルチェックを怠ったという責任を感じ、一言フォローしようと近寄った瞬間『Bさんにはそこまで教えてもらってません』と後輩が言った。上司は『でも今までは普通にできていたんだろう?』と戸惑った様子だったが、ほかの先輩が『何!? 今まで普通にできてたし、Bがお前に丁寧に教えているの見たよ』と声をあげてくれて救われた」とのこと。

それからほどなく後輩はその職場をやめ、Bさんの課にも平穏が戻ったのだそう。「ほかの先輩たちも同じようなウソをつかれたことがあるらしく、上司も薄々それに勘付いていたらしい」と話すBさん。自分のミスをウソでごまかすというのは、そのうち大きな問題を引き起こしかねないので危険ですね。