老後資金を準備する手段として、個人年金保険などの生命保険を検討している方も多いのではないでしょうか。なかには「高い利回りが期待できそう」と、外貨建て生命保険が気になっている方も少なくないでしょう。そこで今回は、老後資金として生命保険を利用する際の注意点を詳しくみていきます。

外貨建て生命保険の相談は増加傾向

独立行政法人 国民生活センターは、2020年2月20日付けで「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」という報告書を公表しました。この報告書には、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベース「PIO-NET」(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談件数が示されています。

ここから、「外貨建て生命保険の相談件数と平均契約購入金額」をみてみましょう。2019年度の全体の相談件数は483件であり、そのうち70歳以上は243件、平均契約購入金額は957万円となっています。なお、2014年度の全体の相談件数は144件、うち70歳以上は70件、平均契約購入金額は938万円でした。

こうみると、外貨建て生命保険の相談件数はここ数年で3倍以上に増加しています。また、すべての年度に共通する点は、70歳以上の方からの相談が、全体の約半数、もしくは過半数であること。平均契約購入金額は、1,000万円前後を推移しています。老後資金の準備として生命保険を活用した結果、トラブルになってしまった高齢者が多いといえるでしょう。