販売員や従業員に対する理不尽な要求や悪質なクレームは「カスタマーハラスメント」とも呼ばれています。とくに最近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により各地でパニックが発生した際、無理な要求をする顧客に悩む声が多く上がりましたね。
「お客様は神様」とも言いますよね。
実は筆者、コールセンターで苦情対応を担当していた時期があります。その経験からいうと、企業やお店を守るためには、過度のクレームには毅然とした態度で接することも必要ではないかと考えます。とはいえ、「毅然とした態度」を貫くというのもなかなかストレスフルな任務です。
多くの働くみんなを悩ませる「クレーマー」問題。エピソードを交えつつ、対応のコツについて考えていきましょう。
カスタマーハラスメントは増加傾向に
まずはカスタマーハラスメントの実態をみてみましょう。株式会社エス・ピー・ネットワークは、2019年5月に「カスタマーハラスメント実態調査(2019年)」を行いました。この調査は営業や販売、一般事務などの調査対象職種に就いており、「企業でクレーム対応を行った経験のある会社員」に該当する、全国の20代から60代の男女1,030人を対象としています。
調査の結果「あなたは直近3年間でカスタマーハラスメントが増えていると感じますか?」という質問に対し「とても増えている」または「増えている」と回答した割合が、あわせて55.8%となりました。また「カスタマーハラスメントを受けたことがある」と回答した人に「以前対応したカスタマーハラスメント顧客の特徴」(複数回答)を聞いたところ、70.5%が「不当な要求」を挙げています。