刺激を求めて投資を始める若者も

ロビンフッドの顧客平均年齢は31歳。このような若い人達が株式投資をはじめた理由はいくつかあるようです。

まずは、前述しているように手数料など費用が手頃になり、アプリの簡単な操作で売買ができることでゲーム感覚になったことが挙げられます。コロナ禍で株価が下がった事もあり、特に自粛に入ってからは時間を持て余したり、単調な毎日に飽きてスリルを味わいたいとデイトレードを始める人も多いようです。

またBARRON’Sでは、元々スポーツ賭博などのギャンブル好きの人々が、自粛でそういった賭け事が出来なくなってしまい、その代わりに投資を始めたという人も中にはいるようだと指摘しています。

どちらにしても、昔から若い人(とくに男性)は長い将来の間に取り戻せるだろうと、ハイリスクトレードの快感を味わう傾向があるため、気をつけないと大失敗を招く人も出てくるだろうとも警告しています(※1)

今度こそチャンスを逃さない

また、何度も経済危機を経験しているミレ二アルズの中には、コロナ禍の株価暴落を「チャンス」と捉えて真剣に投資を始める人もいるようです。

米CNBCビジネスレポーターのコートニー・レーガン氏はCNBCに寄稿した記事(※2)の中で、自らがそのミレニアルズグループの1人として、いま投資を始める背景について述べています。

レーガン氏の年代は2001年に大学入学するや否や起った9・11テロ事件の大混乱や、テックバブル崩壊、サブプライム金融危機など、経済危機を何度も経験してきました。そんな中で彼女たちは、アメリカ株式市場はいくら暴落しても必ず跳ね上がる強さがあることを学びました。

でも当時は、一晩で大企業さえもが潰れる程の経済危機への恐怖の方が強く、アメリカ経済の回復力の強さを信じられず、株式投資のチャンスを逃したとレーガン氏は述べています。

例えば彼女らが20代の時には、アマゾンはまだ古本のオンラインセールを始めたばかり、株価は10ドル以下でした。それが今や約3,000ドル。

彼女らにとっては、「コロナ禍の株価暴落こそ買いのチャンス」「今度こそはチャンスを見逃さない」という気持ちが株式投資の動機になっているようです。