日本政府は巨額の財政赤字で破綻? そうならない理由は「国債」にある

政府が日銀に紙幣を印刷させて国債を償還し、その結果としてハイパーインフレになったとしても、実はそれは銀行にとってはリスクではないのです。紙幣をそのまま預金者に渡せば良いからです。

上で、日銀に国債を買い取ってもらっても、受け取った日銀券は紙くずだ、と記しました。しかし、実はそれでも問題はないのです。というのは、受け取った「紙くず」をそのまま預金者に渡せばよいからです。

経常収支の赤字が続くと問題かも

経常収支が赤字であること自体は、別に日本が損しているというわけではないので、特に問題にする必要はありません。

しかし、経常収支の赤字が続いて、日本全体として外国から借金をしなければいけなくなると、問題が生じます。

外国人投資家には、日本国債を買うインセンティブが小さいからです。財政赤字が巨額で将来は破産するかもしれない国の国債を、為替リスクがあるのに買う外国人投資家は少ないでしょう。そうなると、日本政府は資金繰りに行き詰まる可能性も出てきますね。

もっとも、日本は経常収支が巨額の黒字で、将来にわたって外国からの借金を必要とする状態にはなりそうもありませんので、この点の心配は無用でしょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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