株式市場の振り返り-後場に入って様相が一変して3日続落、新興市場は5連騰

2016年8月16日(火)の東京株式市場は3日続落となりました。日経平均株価は前日比▲1.6%の下落、TOPIXも▲1.4%の下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.1%上昇して5日続伸となりました。

日経平均株価は、前日比+9円高で寄り付いた後、前場は前日終値を小幅に下回る推移となりました。しかし、後場に入ってから様相は一転します。円高進行を受けて、いきなり前日比▲200円安となる場面が見られました。その後やや切り返しますが、大引けに掛けて下げ幅を拡大し、安値引けとなる▲273円安の16,596円で終わっています。

東証1部で上昇したのは217銘柄、値下がり1,672銘柄、変わらず83銘柄でした。東証1部の出来高は16億1,458万株、売買代金は1兆9,787億円(概算)となっています。前日より出来高が大きく増えています。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中32業種が下落、電機の低位株に買いが集まる

東証1部で上昇したのは僅か1業種のみ、残り32業種全てが下落しました。下落率の大きい業種の中には、金融関連、内需関連、輸出関連が並びましたが、全体的に売られたと見ていいでしょう。なお、上昇した1業種は石油・石炭でした。

個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)が▲3%安の大幅安となり、テルモ(4543)、電通(4324)、村田製作所(6981)なども▲3%超の大幅下落となりました。その他では、前日に急騰したソフトバンクグループ(9984)は僅かな下落に止まった一方で、住友不動産(8830)は急落し、任天堂(7974)も冴えませんでした。他方、富士通(6702)、シャープ(6753)、NEC(6701)など、電機セクターの低位株が上昇し、ニトリホールディングス(9843)も堅調に推移して終わっています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数はしぶとく5日続伸、商いも久々の高水準を達成

東証マザーズ総合指数は、上に下に粗い値動きとなる忙しい1日でしたが、最後は小幅高で終わり、約1ヶ月半ぶりの5連騰となりました。また、前日までと違い、16日は商いも好調でした。出来高は前日より+85%増の6,504万株、売買代金も+69%増の1,039億円となり、約1ヶ月ぶりの高水準です。このまま資金流入が続くのか注視したいところですが、まだ大きな物色テーマは登場していません。なお、値上がりが99銘柄、値下がりは108銘柄、変わらず14銘柄でした。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)、アキュセラ(4589)、グリーンペプタイド(4594)、サンバイオ(4592)などの医療バイオ関連銘柄は上昇が目立ちました。一方、米国の投資情報会社シトロン・リサーチがリポートで目標株価を300円としたCYBERDYNE(7779)が急落し、大きな話題となりました。また、前日に値を飛ばしたMRT(6034)はストップ高となりましたが、LITALICO(6187)は反落となっています。大幅安が続いたグローバルウェイ(3936)は小幅反発でした。

本日(8月17日)の注目点-前日後場のような揺さ振りを仕掛けられる局面が続く可能性

昨日、ここで「海外投資家の短期筋が揺さ振りをかけてくる可能性があります。取引時間中の激しい値動きに惑わされないようにしましょう。」と警鐘を鳴らしましたが、16日の後場はその通りとなってしまいました。市場参加者がまだ完全に戻らない中、こうした揺さ振りによって、値動きが通常以上に大きくなる傾向があります。17日(水)も為替相場への仕掛けも含めて、イレギュラーな値動きに惑わされないことが求められます。

現在開催されているリオ五輪では、日本選手が大活躍しており、テレビ観戦に釘付けとなっている人も多いと思われます。実は、スポーツのみならず世界的な政治イベントでもある五輪は開催期間中は世界中の関心が向かっています。逆に言うと、五輪が終了すると停滞していた物事が再び動き出すと言われています。株式市場もリオ五輪の閉会式(日本時間22日の午前)終了後から本格的に動き出すかもしれません。相場が動き出す前に十分準備をしておきましょう。

16日は新興株式市場で、潮目になるかもしれない動きが見られました。この1ヶ月半に渡って低迷を続けた新興市場への資金流入に繋がるのかどうか、17日以降も最大の注目となるでしょう。ただ、まだ16日だけの動きでは判断できないのが実情です。

青山 諭志