今週は米国や中国で、重要な経済指標が相次いで発表されます。31日には、中国の8月・製造業購買担当者景気指数(PMI)、9月1日には、米国の8月・ISM製造業景況指数、4日には米・8月の雇用統計も発表されます。新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、実体経済に回復傾向があるかどうかが注目されます。

大きな陰線となるが75日線付近で反発

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は、週末まではローソク足の実体が短く、小幅な値動きでした。ただし5日移動平均線に下値をサポートされて底堅さを感じさせました。週末28日は大きな陰線となって下落しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。週末の突然の下落にはひやりとしました。ただし、一時600円以上下げましたが、その後は長い下ヒゲとなって値を戻し、結局320円あまりの下落に落ち着きました。価格が75日線にタッチしたあたりで反発し、ローソク足の実体も75日線を上回っています。

これでも下落は下落ですが、前週末21日の終値と比べると、下落幅は37円あまりとわずかです。また、25日線、75日線、200日線などの主要な移動平均線が上向きになっていることや、75日線と200日線によって形成されたゴールデンクロスが崩れていないといったことからも、ここからつるべ落としのように下落していくよりは、むしろ戻りをうかがう展開になるのではないかと考えられます。

その場合の上値メドとしては、まずは目先意識されやすい23,000円、直近の戻り高値である8月25日の高値(23,431円)あたりになるでしょう。このあたりを抜けると、24,000円まではするすると上がっていく可能性もあります。

その後24,000円~24,500円あたりは過去にもみ合った節も多く、抜けるのには少しパワーが必要です。ただし、24,500円を超えると、目立った節もほとんどないことから、上目線で視界が広がります。

下原 一晃