安倍首相の辞任意向を受けて、一時600円以上下落
2020年8月28日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より326円21銭安の22,882円65銭となりました。取引時間中にNHKなどが、安倍晋三首相が辞任の意向を固めたと伝えたことを受けて売りが広がりました。下げ幅は一時600円を超えましたが、引けにかけては買い戻されました。
金融政策、財政政策、成長戦略の「3本の矢」を打ち出した「アベノミクス」の成果についてはまた別の機会に総括したいと思いますが、株価に限って言えば、民主党政権時代に8000~9000円台で低迷していた株価は、自民党が政権を奪還すると1万円台を回復。2018年10月には一時、24,448円と第2次安倍政権発足時(2012年12月26日の終値・10,230円)の2.3倍以上にまで上昇しました。
今週の動きはどうなるでしょうか。中期的には、次期政権で経済政策がどのように推進されるのか、また、任期が2023年まである日銀の黒田東彦総裁の緩和路線が続くのかといった点が注目されるところです。
「ポスト安倍」や新内閣の顔ぶれなども気になるところですが、直近ではむしろ、首相の突然の辞任表明という「悪材料出尽くし」から、日本株も底堅い動きになるのではないかと考えられます。
また、相変わらず米株は強く、28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比161ドル60セント高の28,653ドル87セントとなっています。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も過去最高値を更新しています。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。