放課後の公園に子どもたちは戻ってきているが…

春先からずっと思うように遊べない状態が続き、ストレスが溜まるばかりの生活を強いられていた子どもたちにとって、6月の学校再開以降、一番に日常風景が戻ったのは放課後の公園です。近所の公園には友達と一緒に遊ぶ小学生の姿が戻り、生き生きとした表情からは「待っていました」という子どもたちの喜びと開放感が伝わってきます。

ただ、メンバーをよく見るといつも決まった低学年の子しか集まってきていません。以前はあちこちから来て賑やかに遊んでいたのですが、新型コロナ感染を気にして外遊びを控えている家庭もあるのでしょう。

それ以外にも理由があります。2020年度から始まった新学習指導要領により、小学3年年生以上の授業時間数が増加。そこに臨時休校という緊急事態が発生し、3年生より上の学年ではほぼ毎日6時間授業を受けることになったのです。掃除は今のところ先生方を中心に行われ、児童はその分帰宅時間は遅くならないものの、放課後に遊ぶ心の余裕はありません。

その余波は公園内でのトラブル発生率を高めていて、「1、2年生ばかりで遊んでいたら問題が度々起きるから先生が見回りをする」という話も学校で出ているそうです。自由気ままに遊ぶのは子どもの特権ですが、何か争いが発生した時に対応してくれる高学年がいないと、公園も場合によっては危険な場所になってしまうということなのでしょうか。

昨年までの学校生活のありがたみを痛感

運動会や遠足など、学校行事1つ1つが子どもの成長を促すものとは思っていましたが、行事がなくなった今年度の子どもたちの話を聞いていると一体感が高まらない様子が肌で感じられ、イベントの重要性を再認識しています。

仲間と共に活動することで社会性を身につけ、クラス一丸となって目標に向かい努力することの大切さを学ぶ行事の存在は、子どもの人間形成にとって欠かせないものだったのです。今まで当たり前だった学校生活や行事の数々のありがたみを今さらながら痛感しつつ、来年度は少しでも状況が良くなることを願うばかりです。

中山 まち子